奨学金の返済が苦しいとき|減額返還・返還期限猶予で今日やること

収入減、失業、病気、育児、介護、災害などで、日本学生支援機構(JASSO)の奨学金返還が苦しくなったときは、返済を放置する前に使える制度があります。

主な選択肢は、毎月の返還額を下げる減額返還制度と、一定期間返還を先送りする返還期限猶予制度です。どちらも自動では適用されず、願出と審査が必要です。

今日やること

  1. 奨学生番号、返還残額、次回振替日を確認する
  2. 現在の収入、失業・傷病・災害などの事情を整理する
  3. 減額なら払えるのか、一時的に返還を止める必要があるのかを決める
  4. スカラネット・パーソナルまたはJASSOの案内で必要書類を確認する
  5. 延滞前に申請し、難しい場合は奨学金相談センターへ連絡する

減額返還制度とは

減額返還制度は、当初の月額では難しいものの、金額を下げれば返還を続けられる人向けです。現在の制度では、当初月額の3分の2、2分の1、3分の1、4分の1へ減額し、その分だけ返還期間を延ばします。

返還予定総額が減る制度ではありません。毎月の負担を軽くして、返還期間を長くする仕組みです。1回の願出につき適用期間は12か月までで、通算適用期間は15年(180か月)が上限です。第二種奨学金は、減額返還によって返還期間が延びても利子の総支払額は増えません。

減額返還は、願出と審査の時点で延滞していないこと、口座振替を利用していることなどの条件があります。延滞が始まりそうなら、先に申請準備を進めることが重要です。

返還期限猶予制度とは

返還期限猶予は、失業、傷病、経済困難、災害などで、いまは返還そのものが難しい場合に、一定期間返還を先送りする制度です。

猶予期間中の返還は不要ですが、元金や利子が免除される制度ではありません。第二種奨学金は猶予期間中は無利息で、利息は増えません。猶予が終わると返還が再開し、終了年月も後ろへ延びます。原則として1年ごとに願い出ます。

一般猶予の適用期間は通算10年が基本ですが、災害、傷病、生活保護受給中、産前産後休業・育児休業などには別の扱いがあります。事情ごとの証明書が必要です。

どちらを選ぶか

状態検討する制度
月額を下げれば払える減額返還
当面は返還そのものが難しい返還期限猶予
すでに延滞している自己判断せずJASSOへ相談
災害で生活再建が必要災害を事由とする猶予を確認

減額返還を優先するよう案内される場合もありますが、家計状況によって適切な制度は異なります。無理な金額を選んで再び延滞するより、収支を正直に整理して相談してください。

申請前に準備するもの

  • 奨学生番号が分かる書類
  • スカラネット・パーソナルのログイン情報
  • 源泉徴収票、課税証明書、所得証明書など
  • 離職票、雇用保険受給資格者証、診断書、罹災証明書など事情を示す資料
  • 毎月の手取り、家賃、医療費、扶養人数が分かる家計メモ

必要書類は申請理由によって異なります。証明書の年度や有効期間も確認してください。書類を集めるのに時間がかかる場合は、先にJASSOへ相談します。

すでに延滞しているとき

延滞中でも、事情によって利用できる猶予手続があります。過去分の証明書を用意できるか、延滞期間をどの制度で整理できるかは個別に異なるため、通知を放置せずJASSOへ連絡してください。

返還を延滞すると、本人だけでなく、人的保証を選択している場合は連帯保証人・保証人へ督促が行われることがあります。また、延滞3か月以上は個人信用情報機関への登録対象になり得ます。

一度登録された延滞情報は、後から猶予が認められても自動的に取り消されるとは限りません。返還が厳しくなった段階で早めに動くことが重要です。

災害にあったとき

地震、台風、洪水、火災などで返還が困難になった場合は、災害を理由とする返還期限猶予を確認します。罹災証明書などが必要になる場合があります。

同一災害を理由とする猶予には期間の考え方があり、災害から時間が経過すると収入・所得基準で審査される場合があります。被災直後から返還が難しいと分かった時点で相談してください。

相談するときの伝え方

奨学生番号は○○です。失業により手取りが月○万円になり、次回の返還が難しい状況です。月額を○円程度に下げれば支払えます。減額返還と返還期限猶予のどちらを申請できるか、必要書類を教えてください。

奨学生番号、次回返還日、現在の収入、払える月額を準備しておくと相談が進みやすくなります。

注意すること

  • 口座残高不足のまま放置しない
  • 申請中だから引き落とされないと思い込まない
  • 減額返還で総返還額まで減ると誤解しない
  • 証明書を偽ったり、古い収入資料だけで判断しない
  • JASSO以外の奨学金を同じ制度だと思わない

自治体、大学、民間団体の奨学金は制度が異なります。貸与元へ個別に確認してください。

まとめ

奨学金返還が苦しいときは、延滞前に減額返還か返還期限猶予を検討します。月額を下げれば払えるなら減額返還、当面返還できないなら猶予が基本的な目安です。

すでに延滞していても放置せず、JASSOへ事情を伝えてください。奨学生番号、収入資料、失業・傷病・災害を示す書類をそろえ、早めに手続きを始めます。

公式情報

公式情報確認日:2026年8月8日
次回確認予定:2026年10月1日
制度の要件、必要書類、収入基準は変更される場合があります。