この記事の内容
督促状を開けずに放置しないでください。払えないと分かった時点で、国税は所轄税務署、地方税は通知書を出した自治体へ連絡します。
対象になる人:一括納付すると生活や事業を維持できない人です。
確認する制度:換価の猶予、納税の猶予、分割納付、延滞税・延滞金の軽減です。
進める順番:税目、未納額、期限、収支を整理し、申請書類、担保、提出期限、現実に守れる納付計画を確認します。
生活費や借金も苦しい場合:納税相談だけで終わらせず、自立相談支援と多重債務相談を同時に進めてください。
ここは勘違いしないでください。電話しただけで差押えが自動停止するわけではありません。必要な申請と期限を、その場で確認します。
税金を払うためにカードローンへ走らないでください。先に徴収窓口へ相談します。国税は所轄税務署、住民税・固定資産税・自動車税などは通知書を出した自治体です。一括納付で生活や事業が崩れる事情を、収支資料と一緒に説明してください。
今日やること|この順番で差押え前の選択肢を守ってください
- 納付書、納税通知書、督促状、催告書、差押予告など届いた書類をすべて集める
- 税目、納期限、未納額、担当部署、書類に書かれた連絡期限をメモする
- 預金残高、直近の給与明細や売上、家賃、医療費、借入返済など月の収支を整理する
- 国税は所轄税務署の徴収担当、地方税は自治体の収納・納税相談担当へ電話する
- 家賃や食費まで足りない場合は、自立相談支援機関にも同じ日に相談する
差押予告や期限付き書類が届いているなら、ほかの支払いより先に開封してください。記載された期限と担当部署へ今日連絡します。相談だけで処分が止まるとは限りません。何を申請し、いつまでに出すのかを確認してください。
まず、書類の発行者を見て相談先を分けてください
相談先は税金の種類によって異なります。
- 国税:所得税、消費税、相続税、贈与税など。原則として住所や事業所を管轄する税務署へ相談します。
- 市区町村税:個人住民税、固定資産税、軽自動車税など。納税通知書を発行した市区町村の収納・納税担当へ相談します。
- 都道府県税:自動車税種別割、個人事業税、不動産取得税など。通知書を発行した都道府県税事務所などへ相談します。
分からない場合は、書類の上部にある発行者名と問い合わせ先を確認してください。国税の所轄税務署は、国税庁の税務署の所在地などを知りたい方から調べられます。
税金が払えないときの相談先|国税は所轄税務署の徴収担当
国税庁は、納期限までに納付できない事情がある場合は、早めに所轄税務署の徴収担当へ相談するよう案内しています。納付に関する相談は、一般的な税の質問を扱う電話相談センターではなく、所轄税務署の徴収担当が窓口です。
公式案内は、国税庁の国税の納付に関するご相談についてと国税を期限内に納付できないときで確認できます。
税金を一括で払えないとき|換価の猶予を相談できる条件
国税を一度に納付することで、事業の継続または生活の維持が難しくなるおそれがある場合など、一定の要件を満たすと、申請により原則1年以内の換価の猶予が認められる場合があります。
- 納税について誠実な意思があること
- 猶予を求める国税以外に国税の滞納がないこと
- 原則として納期限から6か月以内に申請すること
- 原則として担保を提供すること
担保が用意できないから申請できない、と自分で決めないでください。猶予額100万円以下、期間3か月以内、担保にできる財産がないなど、担保不要となる場合があります。事情をそのまま徴収担当へ伝えてください。
納税の猶予
災害や盗難、納税者または家族の病気・負傷、事業の休廃止、事業上の著しい損失などが原因で、国税を一時に納付できない場合は、申請により原則1年以内の納税の猶予が認められることがあります。
猶予期間は、財産や収支の状況を踏まえ、最も早く完納できると認められる期間です。原則として猶予期間中は各月に分けて納付します。やむを得ない事情があれば、当初期間と合わせて最長2年以内まで延長が認められる場合があります。
猶予は免除ではありません。守れる計画だけを約束してください
- 財産の差押えや換価が猶予される場合がある
- 猶予期間中の延滞税が免除または軽減される場合がある
- 承認された計画に従って分割納付することになる
猶予が認められても、税金そのものは残ります。その場を収めるために無理な月額を約束しないでください。収入が変わり計画を守れなくなったら、約束日を過ぎる前に担当へ再相談します。
地方税を払えないとき
住民税、固定資産税、自動車税などの地方税も、災害、病気、休廃業などの事情や、納税により生活・事業の維持が困難になる場合に、徴収猶予や換価の猶予が認められることがあります。
制度の基本は地方税法に基づきますが、申請先、必要書類、納付計画の作り方、減免制度の有無は自治体と税目によって異なります。必ず納税通知書を発行した自治体へ確認してください。
自治体の案内例として、大阪府は、徴収猶予・換価の猶予が原則1年以内で、換価の猶予は納期限から6か月以内の申請と案内しています。横浜市も、市税を一時に納付できない場合の猶予制度と申請書類を公開しています。
公式例:大阪府・納税の猶予制度について、横浜市・納税にお困りの場合は
税金が払えないときの相談前の準備・必要書類
- 納付書、納税通知書、督促状、催告書、差押予告
- 本人確認書類
- 預金通帳や残高が分かる資料
- 給与明細、年金額、売上帳、確定申告書など収入が分かるもの
- 家賃、住宅ローン、医療費、保険料、借入返済など支出が分かるもの
- 病気、災害、休廃業、失業などの事情を示す資料
- 財産、負債、月ごとの収支を整理したメモ
正式な申請では、猶予申請書、財産収支状況書、担保関係書類、病気や災害等の事実を証明する書類などを求められる場合があります。書類が全部そろっていなくても、最初の相談を遅らせず、提出期限と代替書類を確認してください。
督促状や差押予告は、無視しても消えません
国税は、期限までに納付しないと原則として法定納期限の翌日から延滞税がかかり、督促後も納付されない場合には財産の差押えなどの滞納処分を受けることがあります。地方税でも延滞金や滞納処分が行われる場合があります。
督促状が届いた後でも、相談できないという意味ではありません。ただし、手続きが進むほど選択肢や時間が限られる可能性があります。書類に書かれた担当部署へ電話し、「一括納付が生活維持を困難にする。猶予申請が可能か確認したい」と具体的に伝えてください。
税金を払うために、次の行動をしないでください
- 納付書や督促状を開封せず放置する
- 担当者からの電話や郵便を無視する
- 守れない金額の納付約束を、その場しのぎで受け入れる
- 生活費や家賃をすべて使い切ってから相談する
- 税金を払うために、条件を確認せず高金利の借入れをする
担当者へは、払う意思がないのではなく、現実に払える額と時期を整理して相談することが重要です。収支に変化があった場合は、約束した日を過ぎる前に連絡してください。
税金を払うためにカードローンやキャッシングを利用している、または借金返済もすでに難しい場合は、借金を返せないときの無料相談と債務整理の案内も確認してください。納税相談と法律・多重債務相談は並行して進められます。
生活費・家賃・医療費も足りない場合
税金だけでなく生活全体が立ち行かない場合は、市区町村の自立相談支援機関で、家計、住まい、仕事、債務をまとめて相談できます。税務署や自治体の納税担当と、自立相談支援機関の両方へ相談してください。
収入減少や失業が原因の場合は、失業給付・職業訓練・保険料の手続き、家賃が不足している場合は住居確保給付金と家賃相談、医療費が重い場合は高額療養費と医療費の相談も確認してください。
電話で伝える言葉
納期限までに税金を一括で納付すると、家賃や生活費を維持できません。収入、預金、毎月の支出を説明できます。徴収猶予または換価の猶予の対象になるか、必要書類と申請期限を確認したいです。
税目、未納額、納期限、現在払える額、今後の収入予定、失業・病気・休業などの事情を伝えられるようにしてください。担当者名、相談日時、提出書類、次回連絡日を記録します。
公式情報で確認したことと補足
公式情報で確認したこと:国税の延滞税・滞納処分、換価の猶予・納税の猶予の主な要件と期間、相談先、地方税の猶予制度の例は、国税庁、大阪府、横浜市の公式情報で確認しました。
補足:書類を時系列に並べること、月の収支を一枚にまとめること、担当者名と相談内容を記録することは、相談を進めやすくするための実務上の提案です。猶予や分割納付が必ず認められることを保証するものではありません。
公式情報確認日:2026年8月8日(国税の換価の猶予・納税の猶予・担保不要条件は2026年9月6日再確認、大阪府・横浜市の地方税猶予例は2026年9月4日再確認)
対象地域:日本全国(地方税の窓口・必要書類・運用は自治体と税目により異なる)
次回確認予定日:2027年4月1日
