最初に守ること:その場で退職届や合意書へ署名しないでください。会社の説明を聞いただけで、解雇や自己都合退職が確定するわけではありません。
対象になる人:解雇、雇止め、退職勧奨を受け、理由や条件に納得できない労働者です。
使える手段:総合労働相談、助言・あっせん、労基署、ハローワーク、労働審判などがあります。
最初に集めるもの:解雇通知、契約書、就業規則、更新通知、メール、面談記録、離職票です。
進める順番:証拠を保存し、解雇・雇止めの理由を文書で請求し、日付を時系列にして相談窓口へ持っていきます。
収入が途絶える場合:争いの解決を待たず、雇用保険と生活相談を同時に進めてください。
ここは勘違いしないでください。解雇予告手当が払われても、解雇理由まで自動的に有効になるわけではありません。
「明日から来なくてよい」「ここへ署名すれば円満退職になる」。そう言われても、その場で決めないでください。会社の会議室で人生の結論を出す必要はありません。解雇、雇止め、退職勧奨は別の手続きです。まず書類を持ち帰り、理由を文書で求め、記録を保存してから相談します。
今日やること|この順番で動いてください
- 解雇通知、契約書、就業規則、更新通知、メール、面談記録を保存する
- 会社へ解雇理由・雇止め理由を文書で交付するよう請求する
- 退職届、合意書、清算書へ、その場で署名しない
- 解雇日、予告日、契約満了日、最終出勤日を時系列にする
- 総合労働相談コーナーへ「解雇・雇止めに納得できない」と相談する
明日から収入がなくなるなら、解雇の争いだけに集中してはいけません。同じ日にハローワークと自立相談支援機関へ連絡してください。仕事の問題と、今日からの生活費は別々に守ります。
まず「何をされたのか」を分けてください
- 解雇:会社が一方的に労働契約を終了させること
- 雇止め:期間の定めがある契約を、期間満了後に更新しないこと
- 退職勧奨:会社が退職を勧め、労働者の同意による退職を求めること
退職勧奨は、会社からの提案です。命令ではありません。応じる義務はありません。「今日中に書け」と急かされても、そこで署名しないでください。書類を持ち帰り、条件と離職理由を確認してから判断します。
会社が「解雇」と言えば終わり、ではありません
会社が「社内で決まった」と言っても、それだけで法的に有効になるわけではありません。客観的に合理的な理由を欠き、社会通念上相当と認められない解雇は、権利の濫用として無効になります。会社の説明は一方の主張です。証拠をそろえ、第三者へ見せて判断を求めてください。
就業規則に定められた解雇事由、会社が示した理由、注意・指導の経過、同じ事情に対する他の労働者の扱いなどを確認してください。
公式案内:厚生労働省・退職、解雇、雇止めなど
30日前の予告または解雇予告手当
会社が労働者を解雇する場合は、原則として少なくとも30日前に予告するか、30日分以上の平均賃金を解雇予告手当として支払う必要があります。予告期間が30日に足りない場合は、不足日数分の平均賃金が必要です。
これは解雇手続のルールであり、予告手当を払えばどのような理由の解雇でも有効になるわけではありません。解雇理由の有効性と、予告・手当の問題は分けて確認します。
公式案内:解雇予告期間が足りない場合
解雇理由の証明書を請求する
解雇を予告された労働者が、解雇理由を記載した証明書を請求した場合、会社は遅滞なく交付しなければなりません。解雇日を過ぎた後も、退職理由と解雇理由を含む証明書を請求できます。
労働基準法第22条に基づき、解雇日と具体的な解雇理由を記載した証明書を交付してください。
請求日と内容が残るよう、メールや書面で請求し、会社の回答を保存してください。公式案内:解雇理由証明書の請求
有期契約の途中解雇と雇止め
契約期間が定められている労働者を、期間の途中で解雇するには「やむを得ない事由」が必要で、期間の定めがない契約よりも厳しく判断されます。
契約満了時の雇止めでは、①3回以上更新されている契約、②1年以下の契約を更新・反復更新し、最初の契約締結から継続して通算1年を超える契約、③1年を超える期間の契約について、あらかじめ更新しない旨が明示されていた場合を除き、会社は原則として満了日の30日前までに予告する必要があります。労働者が雇止めの理由の証明を請求した場合は、会社は遅滞なく交付する必要があります。
契約が繰り返し更新され、次回も更新されると期待する合理的な理由がある場合には、雇止めが認められないことがあります。更新回数、過去の説明、更新基準、同僚の更新状況を保存してください。
2024年4月1日からは、有期労働契約の締結・更新のたびに、通算契約期間や更新回数について更新上限の有無と内容を明示する必要があります。最初の契約後に更新上限を新しく設けたり、既存の上限を短縮したりする場合は、その理由を事前に労働者へ説明することも必要です。契約書や労働条件通知書の更新上限欄も保存してください。
公式案内:厚生労働省・労働契約終了のルール
改正後の雇止め基準:厚生労働省「有期労働契約の締結、更新、雇止め等に関する基準について」
退職勧奨で、その場の署名はしないでください
退職勧奨に応じるかは労働者が決めます。納得していない場合は、「退職する意思はありません。提案内容を書面でください」と伝えます。長時間の面談、繰り返しの呼出し、脅迫的な発言などがある場合は、日時、参加者、発言内容を記録してください。
退職届や合意書へ署名すると、解雇ではなく合意退職として扱われる可能性があります。退職金、解決金、有給休暇、最終給与、離職理由、秘密保持条項などを確認し、必要なら法律相談を受けてから判断します。
離職票の理由が違う場合
会社都合の解雇や退職勧奨なのに、離職票が自己都合退職になっている場合は、ハローワークへ異議を伝えてください。ハローワークが会社と労働者の資料を確認し、離職理由を判定します。
解雇通知、退職勧奨のメール、面談記録、解雇理由証明書などを持参します。公式案内:雇用保険の具体的な手続き
法律で特に禁止・制限される解雇
業務上のけが・病気で療養のため休業している期間とその後30日間、産前産後休業中とその後30日間は、原則として解雇が制限されます。
妊娠、出産、産前産後休業、育児休業・介護休業の申出や取得などを理由とする解雇、雇止め、降格、減給などの不利益取扱いも禁止されています。該当する事情がある場合は、都道府県労働局の雇用環境・均等部(室)へ伝えてください。
最初の相談先
総合労働相談コーナー
解雇、雇止め、退職勧奨など、労働問題全般を無料・予約不要で相談できます。法令の説明、担当機関の案内に加え、労働局による助言・指導や、紛争調整委員会のあっせん制度を案内しています。
公式案内:総合労働相談コーナー
労働基準監督署
解雇予告・予告手当、賃金不払い、解雇制限など、労働基準法違反の疑いは、勤務先の事業場を管轄する労基署へ相談します。解雇が有効かどうかの最終的な民事判断を行う機関ではありません。
夜間・休日の相談
労働条件相談「ほっとライン」は0120-811-610。日本語は平日17時から22時、土日祝日9時から21時に利用できます。匿名・無料ですが、会社への直接指導は行いません。
労働審判・訴訟・法律相談
職場復帰、解雇後の賃金、解決金などを求める場合は、労働審判や訴訟を検討します。労働審判は、解雇や賃金不払いなど個別労働紛争を、原則3回以内の期日で審理する非公開の手続です。
申立ての内容、証拠、請求額、就労意思の伝え方などが結果に影響するため、法テラス、弁護士会、労働組合などへ早めに相談してください。公式案内:裁判所・労働審判手続
収入と保険の手続き
解雇や雇止め後は、離職票を受け取ってハローワークで雇用保険を申請します。詳しくは仕事を失ったときの失業給付・職業訓練を確認してください。
未払いの給料がある場合は給料が支払われないときの相談先、国保・年金保険料が払えない場合は国民健康保険料・年金保険料の減免・免除、生活費が足りない場合は生活費が足りないときの自立相談・生活保護も利用できます。
窓口で伝える言葉
会社から〇月〇日付の解雇・雇止めを告げられました。理由に納得できず、退職届には署名していません。契約書、通知、メール、面談記録があります。解雇予告、理由証明、雇止めのルールと、利用できる解決制度を相談したいです。
確認済み事実:解雇の有効性、30日前予告・予告手当、理由証明、雇止め予告、相談・あっせん、労働審判、離職理由の異議申立ては、厚生労働省、ハローワーク、裁判所の公式情報で確認しました。
公式情報確認日:2026年8月8日
対象地域:日本全国(相談窓口、裁判所の管轄、実務運用には地域差あり)
次回確認予定日:2027年4月1日