給料が支払われないとき|未払い賃金の相談先と今日やること

結論:勤務記録と未払い額を整理し、会社への請求と労働基準監督署への相談を進めます。
対象者:給料、残業代、退職金などが支払われていない労働者です。
支援内容:労基署の相談・調査、倒産時の立替払、労働審判などがあります。
対象条件:雇用関係と未払い賃金を確認できることが基本で、立替払には倒産・退職時期など別の要件があります。
必要書類:雇用契約書、給与明細、勤怠記録、口座履歴、会社とのメールなどです。
手続きの流れ:証拠を保存し、未払い額を計算し、会社へ記録が残る方法で請求してから管轄労基署へ相談します。
利用できない場合の代替策:回収までの生活費がないときは自立相談支援や生活保護を同時に相談し、行政相談で解決しない場合は労働審判等を検討します。
注意点:賃金請求権には期限があり、倒産時の立替払にも申請時期と支給上限があります。

給料日を過ぎても賃金が支払われない、残業代が未払い、会社から支払いを先延ばしにされている場合は、口頭の約束だけで待ち続けず、勤務記録と未払額を整理し、勤務先を管轄する労働基準監督署へ相談してください。会社が倒産した場合は、未払賃金立替払制度を利用できる可能性があります。

未払い賃金と同時に解雇、雇止め、退職勧奨を受けている場合は、退職届や合意書へ署名する前に、解雇・雇止めをされたときの理由証明・解雇予告・相談手続きも確認してください。

今日やること

  1. 雇用契約書、労働条件通知書、就業規則、給与明細を集める
  2. タイムカード、シフト表、業務メール、勤怠画面、入退館記録を保存する
  3. 給料日、未払額、対象期間、会社から説明された支払予定日を一覧にする
  4. 会社へ文書やメールで支払日を確認し、送信記録を残す
  5. 勤務先の所在地を管轄する労働基準監督署へ相談する

生活費や家賃がすでに不足している場合は、未払い賃金の相談と同時に、市区町村の自立相談支援機関へ連絡してください。労基署への相談だけで当日の生活費が支給されるわけではありません。

賃金には支払いの原則がある

労働基準法では、賃金は原則として、通貨で、労働者本人へ直接、全額を、毎月1回以上、一定の期日に支払うこととされています。会社の資金繰りが苦しいことだけで、決められた給料日に支払わなくてよいことにはなりません。

公式案内:厚生労働省・賃金の支払方法に関する法律上の定め

最初に証拠を保存する

会社へ請求する前や退職前に、勤務実態と賃金額を確認できる資料を、自分で管理できる場所へ保存してください。会社の端末や社内システムだけに置いていると、退職やアカウント停止後に確認できなくなることがあります。

  • 雇用契約書、労働条件通知書、就業規則、賃金規程
  • 給与明細、源泉徴収票、給与振込口座の入出金記録
  • タイムカード、勤怠システム、シフト表、業務日報
  • 業務メール、チャット、パソコンのログイン・ログアウト記録
  • 会社からの支払延期や減額に関するメール・文書
  • 会社へ請求した日、担当者、回答内容を記録したメモ

自分で勤務時間を記録している場合は、日付、始業・終業時刻、休憩、業務内容を具体的に残します。他人の個人情報や営業秘密を必要以上に持ち出さず、自分の労働条件と勤務を証明する範囲にします。

会社へ支払いを確認する

単純な振込ミスや計算誤りの可能性もあるため、まず会社へ、対象となる賃金、未払額、支払予定日を確認します。口頭だけでなく、メール、書面、内容証明郵便など記録が残る方法を検討してください。

〇月〇日支払予定の賃金〇円が入金されていません。対象期間と計算根拠を確認のうえ、支払日を文書で回答してください。

会社が一部だけ支払った場合も、受け取った額、残額、支払日を記録します。守れない約束が繰り返される、会社と連絡が取れない、倒産の可能性がある場合は、回答を待ち続けず労基署へ相談してください。

労働基準監督署へ相談する

賃金不払いなど労働基準法違反の疑いがある場合は、原則として勤務先の事業場所在地を管轄する労働基準監督署へ相談します。自宅住所を管轄する署とは限りません。

全国の監督署と管轄は、全国労働基準監督署の所在案内から確認できます。窓口の利用時間は原則として平日8時30分から17時15分です。

相談時には、会社名、事業場住所、雇用期間、給料日、未払額、対象期間、勤務記録、会社へ請求した経緯を伝えます。労基署は法違反の調査や是正指導を行う行政機関ですが、個別の金銭回収を必ず実現することを保証する機関ではありません。必要に応じて法律相談や裁判手続も検討します。

夜間・土日祝日の電話相談

平日の夜間や土日祝日は、厚生労働省委託の労働条件相談「ほっとライン」を利用できます。日本語相談は0120-811-610、受付は平日17時から22時、土日祝日9時から21時です。無料で匿名相談もできます。

この窓口では法令や相談先の説明を受けられますが、会社へ直接指導する権限はありません。実際の申告や調査が必要な場合は労働基準監督署へつないで考えます。

公式案内:労働条件相談「ほっとライン」

賃金請求権には期限がある

2020年4月1日以降に支払期日が到来する賃金請求権の消滅時効は、法律上5年へ延長されましたが、当分の間は3年とされています。未払いが続いている場合は、古い月から期限が進むため、相談と請求を先延ばしにしないでください。

公式案内:厚生労働省・賃金請求権の消滅時効

会社が倒産した場合の未払賃金立替払制度

会社が倒産し、賃金が支払われないまま退職した労働者は、一定の要件を満たすと、国の未払賃金立替払制度を利用できる可能性があります。パート・アルバイトも労働者に該当すれば対象になり得ます。

主な対象は、労災保険の適用事業として1年以上事業活動を行っていた事業主に雇用され、倒産に伴って未払賃金を残して退職した人です。法律上の倒産と、中小企業の事実上の倒産では手続きが異なります。

立替払額は、対象となる未払賃金総額の80%です。ただし退職時の年齢による上限があります。対象は一定期間の定期賃金と退職手当で、賞与、解雇予告手当、延滞利息などは対象外です。

退職後6か月以内に、裁判所への破産手続開始等の申立て、または労基署長への事実上の倒産の認定申請が行われないと対象外になるため、倒産や連絡不能が疑われる場合は早急に労基署へ相談してください。

公式案内:労働者健康安全機構・未払賃金の立替払事業

労働審判や訴訟を検討する場合

会社が支払いに応じず、行政相談だけでは解決しない場合は、労働審判、民事訴訟、少額訴訟、支払督促などの法的手続を検討します。労働審判は、給料の不払いなど個別の労働関係トラブルを、原則3回以内の期日で審理する非公開の手続です。

どの手続が適切か、証拠が足りるか、請求額をどう計算するかは個別事情で変わります。総合労働相談コーナー、法テラス、弁護士会などへ相談してください。総合労働相談コーナーは無料・予約不要で、助言・指導やあっせんの案内も行っています。

公式案内:総合労働相談コーナー裁判所・労働審判手続

生活費が足りない場合

未払い賃金の回収には時間がかかる場合があります。今日の食費、家賃、医療費がない場合は、生活費が足りないときの自立相談・生活保護、家賃が払えない場合は住居確保給付金と家賃相談、退職した場合は失業給付と退職後の手続きも確認してください。

窓口で伝える言葉

〇月分から給料が支払われておらず、未払額は合計〇円です。雇用契約書、給与明細、勤務記録、会社とのメールがあります。会社へ請求しましたが支払われないため、労働基準法違反として相談したいです。

確認済み事実:賃金支払いの原則、労基署と相談窓口、賃金請求権の時効、未払賃金立替払制度、労働審判の概要は、厚生労働省、労働者健康安全機構、裁判所の公式情報で確認しました。

公式情報確認日:2026年7月23日
対象地域:日本全国(監督署の管轄、相談時間、裁判手続の運用には地域差あり)
次回確認予定日:2027年4月1日