固定資産税を期限どおり払えないときは、督促を待つのではなく、納税通知書を出した自治体の収納担当へ早めに相談してください。事情によっては納付方法の相談だけでなく、地方税法に基づく「徴収猶予」「換価の猶予」や、災害時の減免を利用できる場合があります。
今日やること|納税通知書と家計を確認
- 固定資産税・都市計画税の未納額と納期限を確認する
- 現在の収入、預貯金、住宅ローンなどを整理する
- 病気、失業、災害、事業休止・著しい損失などの事情を整理する
- 今月・来月に現実的に納められる金額を考える
- 自治体へ「納付相談に加え、猶予制度の対象になるか」を確認する
「分割で払いたい」と「徴収猶予」は同じではない
窓口で分割納付を相談することと、法律上の徴収猶予・換価の猶予が認められることは別です。分割納付の運用は自治体や個別事情によりますが、猶予制度は要件を満たしたうえで申請・審査を受ける手続きです。
徴収猶予|災害・病気・事業休廃止などで一時に払えない場合
横浜市は、財産の災害・盗難、本人や生計を一にする親族の病気・負傷、事業の廃止・休止、事業上の著しい損失など一定の要件で市税を一時に納付できない場合、申請により1年以内の徴収猶予が認められることがあると案内しています。
徴収猶予が認められると、猶予期間中は新たな督促・差押え・換価などの滞納処分が行われず、すでに差押えを受けている場合も申請により解除されることがあります。また、延滞金の全部または一部が免除されます。
換価の猶予|一時納付すると生活・事業維持が難しい場合
一時に納付することで生活や事業の維持が難しくなるおそれがある場合などには、換価の猶予を申請できる場合があります。横浜市の案内では、申請による換価の猶予は納期限から6か月以内に手続きを行う制度です。
どちらの猶予が合うかは事情によって変わるため、「分割にしたい」だけでなく「徴収猶予または換価の猶予の対象になるか」と聞いてください。
猶予申請で準備する書類
横浜市では、徴収猶予・換価の猶予とも申請書に加え、猶予を受けたい金額が100万円以下なら「財産収支状況書」、100万円を超える場合は「財産目録」と「収支の明細書」を求めています。資産・負債・収支・納付計画などを記載します。
徴収猶予ではさらに、罹災証明書、医療費の領収書、廃業届、決算書など、猶予理由を証明する資料が必要になる場合があります。
猶予中も原則として分割して納付する
猶予は「しばらく何も払わなくてよい制度」ではありません。横浜市は、猶予を受けた市税を原則として猶予期間中の各月に分割して納めると案内しています。やむを得ない理由で猶予期間内に完納できない場合、申請により延長が認められる場合があり、当初期間と合わせて最長2年となることがあります。
災害で土地・家屋に損害が出たら減免も確認
災害の場合は猶予だけでなく、固定資産税・都市計画税そのものの減免対象になる場合があります。横浜市の2026年8月案内では、土地・家屋・償却資産について、災害による損害が10分の5以上なら災害後の納期分の全額、10分の2以上なら10分の5、10分の1以上なら10分の2を減免する基準が示されています。
これは横浜市の基準です。災害減免の要件・割合・申請期限は自治体によって異なります。
固定資産を持っているだけで減免になるわけではない
「収入が減った」「住宅ローンが重い」といった事情だけで固定資産税が自動的に減免されるわけではありません。減免の対象は自治体条例で定められています。横浜市では災害や生活扶助など、一定の事情を対象として案内しています。
相談するときに準備するもの
- 固定資産税・都市計画税の納税通知書、納付書、督促状
- 給与・年金・事業収入が分かる資料
- 預貯金や保有資産が分かる資料
- 住宅ローン、医療費、生活費など毎月の支出
- 災害・病気・事業休止等を確認できる資料
電話ではこう伝える
「固定資産税を一括で納めると生活費を維持できません。現在の収入と預貯金は○円、未納額は○円です。納付方法の相談と、徴収猶予・換価の猶予の対象になるかを確認したいです」と伝えます。
公式情報で確認したこと
確認日:2026年9月13日。横浜市の2026年現行案内で、市税の徴収猶予、猶予申請時の財産・収支資料、猶予期間中の分割納付、災害時の固定資産税・都市計画税減免を確認しました。
地域差:減免基準や納付相談の運用は自治体により異なります。猶予制度も個別審査のため、必ず納税通知書の自治体へ確認してください。