この記事の内容
退職後に住民税の納付書が届き、「収入は減ったのに、なぜこんなに高いのか」と感じることがあります。住民税は原則として前年の所得をもとに計算されるため、退職後の現在収入と税額に時間差が生じます。まず「税額が間違っている」と考える前に、何年度分で、退職時にどの徴収方法へ切り替わったのかを確認してください。
今日やること|通知書と退職日を確認
- 住民税の納税通知書・納付書の年度を確認する
- 退職日が6~12月か、1~4月か確認する
- 最後の給与明細で住民税がいくら天引きされたか確認する
- 普通徴収の納付書が届いているか確認する
- 一括で払えない場合は、通知書の自治体へ納付相談をする
退職後も住民税が高い理由|前年所得で決まる
個人住民税は、原則として前年1月から12月の所得をもとに翌年度の税額が決まります。たとえば前年にフルタイムで働いていて今年退職した場合、現在は無収入でも、前年所得に対する住民税の支払いが残ることがあります。
退職したこと自体で、その年度の住民税が自動的にゼロになるわけではありません。退職後の収入減は、翌年度の住民税額に反映されるのが基本です。
6~12月に退職|普通徴収か、本人希望の一括徴収
横浜市の2026年6月更新案内では、個人住民税を給与から特別徴収されていた人が6~12月に退職した場合、未徴収税額は「普通徴収」または本人の申出による「一括徴収」に切り替えるとしています。
普通徴収に切り替わると、後日、自治体から本人宛てに納付書が届き、自分で納付します。会社で使う特別徴収用の納入書を退職者本人が使うわけではありません。
1~4月に退職|原則として残額を一括徴収
同じ横浜市案内では、1~4月に退職した場合は、本人の申出がなくても未徴収税額を一括徴収に切り替えるとしています。そのため、退職月の最終給与や退職金等から住民税がまとまって差し引かれ、手取りが想定より少なくなることがあります。
最終給与の金額などの事情で一括徴収できなかった場合の扱いは勤務先・自治体へ確認してください。
再就職したら普通徴収から特別徴収へ切替できる場合がある
退職後に普通徴収の納付書が届いたあと再就職した場合、新しい勤務先から自治体へ切替依頼を出すことで、残りの住民税を給与天引きへ切り替えられる場合があります。
横浜市では、すでに納期限が過ぎている分は特別徴収へ切り替えられないと案内しています。再就職したら、未納のまま待たず、新しい勤務先の給与担当と自治体へ早めに確認してください。
退職所得にかかる住民税とは別に考える
この記事で扱っているのは、主に前年の給与所得などに対する通常の個人住民税です。退職金には、条件に応じて「退職所得」に対する住民税が別途計算され、通常は退職金の支給時に特別徴収されます。
「退職したら住民税が二重に取られた」と感じた場合は、通常の住民税と退職所得に対する住民税を混同していないか、通知書と退職金明細を確認してください。
一括で払えないときは収納担当へ相談
普通徴収へ切り替わった住民税を一括で払うと家賃や生活費が不足する場合は、納期限を過ぎる前に自治体の収納・納税相談窓口へ連絡してください。
事情により分割納付の相談ができる場合があります。また、災害、病気、事業休廃止、生活や事業の維持が難しくなるなど一定の要件を満たす場合は、徴収猶予・換価の猶予を申請できる場合があります。
「退職したから減免」は全国共通ではない
住民税の減免制度は自治体条例で定められるため、退職・失業を理由にした減免の有無や条件は地域によって異なります。自己都合退職、会社都合退職、所得減少率、資産状況などを確認する自治体もあります。
分割相談、法定の猶予、自治体独自の減免は別の仕組みです。「退職したので減免してください」だけでなく、「分割・猶予・減免のどれが使えるか」をまとめて確認してください。
相談時に準備するもの
- 住民税の納税通知書・納付書
- 最後の給与明細・退職日が分かる書類
- 現在の収入、失業給付、再就職予定が分かる資料
- 預貯金残高
- 家賃、医療費、借入返済など毎月の支出
電話ではこう伝える
「○月に退職し、普通徴収の納付書が届きました。現在の月収は○円で、一括納付すると生活費が不足します。未納額と今後の納期限を確認し、分割納付や猶予制度の対象になるか相談したいです」と伝えます。
公式情報で確認したこと
確認日:2026年9月13日。横浜市の2026年6月8日更新「個人住民税の特別徴収に関するよくあるご質問」で、6~12月退職は普通徴収または本人申出による一括徴収、1~4月退職は本人申出不要の一括徴収とする取扱いを確認しました。また、普通徴収から再就職先での特別徴収への切替手続きも確認しています。
地域差:退職時の特別徴収手続きは地方税制度に基づきますが、減免制度、納付相談の運用、窓口は自治体ごとに異なります。



