賃貸住宅の立ち退きを求められたとき|すぐ退去せず今日確認すること

大家や管理会社から立ち退きを求められても、その場で退去日を決めたり、合意書へ署名したりしないでください。「建物を壊す」「自分で使う」「更新しない」という説明だけで、直ちに無条件退去が確定するわけではありません。普通借家か定期借家か、通知時期、貸主の理由、借主の事情、補償内容を確認してから判断します。

今日最初にすること:口頭で同意しない。署名しない。賃貸借契約書、更新書類、重要事項説明書、通知を集めてください。相手には「内容を確認してから回答します。退去理由、法的根拠、希望日、補償内容を書面でください」と伝えます。

鍵を変えられたら、自分だけで解決しようとしないでください

家賃を滞納していても、貸主が裁判所の手続を経ずに勝手に鍵を交換したり、荷物を処分したりしてよいわけではありません。家へ入れない、電気や水道を止められた、脅されているなら、相手と押し問答を続けず、状況を写真や動画で残してください。危険があれば警察へ、住まいと権利の問題は法テラスや弁護士へ相談します。

今夜泊まる場所がない場合は、市区町村の福祉事務所や生活困窮者自立相談支援機関にも同時に連絡してください。

最初に、普通借家か定期借家かを確認してください

普通借家契約では、貸主が契約更新を拒絶したり、解約を申し入れたりするために、借地借家法上の正当事由が必要になります。期間の定めがある普通借家で更新を拒絶する場合は、原則として期間満了の1年前から6か月前までに更新しない旨を通知する必要があります。期間の定めがない普通借家で貸主が解約を申し入れた場合は、正当事由があることを前提に、原則として解約申入れの日から6か月を経過して契約が終了します。貸主が使いたいという事情だけで自動的に認められるわけではなく、貸主と借主が建物を必要とする事情、これまでの経過、建物の利用状況、立退料の申出などを総合的に考慮します。

定期借家契約は、定めた期間が満了すると更新されず終了する契約です。ただし、契約時に定期借家であることの事前説明が適切に行われているかを確認してください。さらに契約期間が1年以上の場合、貸主は原則として期間満了の1年前から6か月前までに、期間満了で契約が終了する旨を通知する必要があります。通知期間を過ぎてから通知した場合、借主はその通知の日から6か月間は引き続き建物を使用でき、貸主はその間、期間満了による終了を借主へ対抗できません。

契約書の表題だけで判断せず、「契約の種類」「契約期間」「更新の定め」「終了通知」の記載を確認します。書類が見つからない場合は、管理会社へ写しを求めてください。

口頭の退去要求には、口頭で返事をしないでください

電話や訪問だけで退去を迫られた場合は、次の内容を書面で求めます。

  • 立ち退きを求める具体的な理由
  • 契約終了の法的根拠
  • 通知日と退去希望日
  • 建物の取壊し、売却、建替えなどの予定
  • 引越費用、敷金、立退料などの提案
  • 連絡担当者と回答期限

電話や訪問だけで話を進めないでください。やり取りはメールや書面で残し、面談後には日時、相手、発言内容をメモします。通知書の封筒も捨てないでください。発送日や到着日は、通知期間を確認する証拠になります。

「正当事由がある」という一言で、無条件退去は決まりません

普通借家契約で貸主側の事情により退去を求める場合は、借地借家法上の正当事由が必要です。更新拒絶なら期間満了の1年前から6か月前までの通知、期間の定めがない契約の解約申入れなら申入れから6か月の期間が基本となります。これらの期間を満たしても正当事由が自動的に認められるわけではなく、借主側の事情や立退料の申出などを含めて個別に判断されます。

耐震性の問題、老朽化、建替え、貸主や親族の使用など事情はさまざまです。正当事由の有無は個別判断なので、管理会社の説明だけで結論を出さず、契約書と通知を持って法律相談を利用します。

立退料は法律で一律に決まっていない

立退料には、引越費用、新居の初期費用、家賃差額、営業損失などが考慮される場合がありますが、「家賃の何か月分」と全国一律に決まっているわけではありません。貸主側の正当事由を補う事情として提示されることもあります。

交渉では、実際に必要になる費用を具体的に見積もります。

  • 引越業者の費用
  • 新居の敷金、礼金、仲介手数料、保証料
  • 現在より上がる家賃の差額
  • 通勤・通学先変更による負担
  • 高齢、障害、介護、子どもの転校など住み替えの困難
  • 店舗の場合の休業、移転、顧客への周知費用

提示を受けても、受領した時点で退去に合意したと扱われないよう、合意書の内容を専門家に確認します。

合意書は、専門家へ見せる前に署名しないでください

退去合意書や明渡し合意書には、退去日、支払額、支払時期、敷金精算、原状回復、鍵の返却、違約金、未払い時の扱いなどが記載されます。特に次の条項は注意が必要です。

  • 立退料の支払いが退去後になっていないか
  • 貸主が支払わなかった場合の扱い
  • 敷金や原状回復を別途請求されるか
  • 予定日に新居へ入れない場合の扱い
  • 一切の請求を放棄する条項がないか
  • 退去が遅れた場合の高額な違約金がないか

「今日中に署名しないと補償しない」と言われても、そこで書かないでください。署名後は撤回が難しくなることがあります。支払時期、敷金、原状回復、違約金、請求放棄条項まで確認し、持ち帰って専門家へ見せます。

立ち退きを求められても、家賃を勝手に止めないでください

立ち退きを求められたからといって、家賃の支払い義務が直ちになくなるとは限りません。家賃を止めると、貸主側に別の解除理由を与える可能性があります。支払方法を拒否された場合は、振込記録や連絡記録を残し、供託を含む対応を法律相談で確認してください。

修繕がされない、建物が危険で住めないなどの事情がある場合も、減額や不払いを自己判断せず、写真、修理依頼、専門家の意見を保存して相談します。

相談先

  • 法テラス:収入・資産要件を満たす場合の無料法律相談や費用立替
  • 弁護士会の法律相談:契約書、通知、合意案の確認
  • 消費者ホットライン188:管理会社や不動産事業者との契約トラブル
  • 自治体の住宅相談窓口:住み替え、公営住宅、居住支援法人の案内
  • 生活困窮者自立相談支援機関:家賃、転居、生活費を含む相談

今日やること|この順番で住まいと交渉材料を守ってください

  1. 契約書、更新書類、重要事項説明書を集める
  2. 普通借家か定期借家か確認する
  3. 退去理由、期限、補償内容を書面でもらう
  4. 電話・訪問・郵便の記録を保存する
  5. 退去合意書へその場で署名しない
  6. 家賃を自己判断で止めない
  7. 新居の初期費用と引越費用を見積もる
  8. 法律相談と住宅相談を予約する

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主な公式情報

普通借家・定期借家、正当事由、通知、立退料の判断は個別事情によって異なります。この記事だけで合意や退去を決めず、契約書と通知を持って専門家へ相談してください。公式情報確認日:2026年8月8日