会社が社会保険に入れてくれないとき|加入条件・年金事務所への相談で今日やること

「正社員なのに社会保険へ入れてもらえない」「パートだから対象外と言われた」「試用期間中は加入できないと言われた」「給与明細から保険料が引かれていない」。健康保険・厚生年金の加入は、会社が自由に選ぶ福利厚生ではありません。勤務先と働き方が法律上の要件に該当する場合、会社は加入手続きを行う必要があります。

今日最初にすること:雇用契約書、労働条件通知書、給与明細、出勤記録を集め、「社会保険の加入対象外と判断した具体的な理由を、勤務時間・勤務日数・会社の適用状況を含めて書面で教えてください」と会社へ確認してください。同時に、勤務先を管轄する年金事務所へ相談できます。

まず「会社が対象か」と「自分が対象か」を分けて確認する

社会保険の加入判断では、勤務先が健康保険・厚生年金の適用事業所か、そのうえで自分の労働条件が被保険者の要件に該当するかを確認します。会社名や店舗名だけで判断せず、法人名、所在地、雇用契約、実際の勤務状況を整理してください。

正社員や一般社員の4分の3以上働く人

適用事業所で常用的に働き、1週間の所定労働時間と1か月の所定労働日数が、同じ事業所の一般社員のおおむね4分の3以上であれば、パート、アルバイト、契約社員などの名称にかかわらず加入対象になります。

たとえば一般社員が週40時間・月20日勤務なら、原則として週30時間以上かつ月15日以上が一つの目安です。雇用契約書の名称だけでなく、所定労働時間と所定労働日数を確認します。

4分の3未満のパート・アルバイト

一般社員の4分の3未満でも、特定適用事業所などで働く短時間労働者は、一定の要件をすべて満たすと加入対象になります。2026年7月24日現在は、週の所定労働時間が20時間以上、学生ではない、所定内賃金が月額8万8,000円以上であることに加え、フルタイムの従業員と同じく2か月を超えて雇用される見込みがあることを確認します。

厚生労働省は、すべての都道府県で最低賃金が時給1,016円以上となったため、最低賃金以上で週20時間以上働く人は、現在でも月額8万8,000円以上の賃金要件を実質的に満たすと案内しています。ただし、加入判断では企業規模、学生区分、契約更新の見込みなども別に確認します。

企業規模については、2027年9月までは厚生年金の被保険者数が常時51人以上の企業などが特定適用事業所です。対象は2027年10月から36人以上、2029年10月から21人以上、2032年10月から11人以上へ段階的に広がり、2035年10月からは10人以下の企業も対象となる予定です。小規模な会社でも、労使の同意に基づく申出により任意特定適用事業所になっている場合があります。

所定内賃金の月額8万8,000円以上という要件は、厚生労働省の2026年7月24日時点の案内では、2026年10月に撤廃予定です。撤廃後も、週20時間以上、学生ではないこと、2か月を超える雇用見込み、勤務先の企業規模などは別に確認します。企業規模要件の最初の縮小は2027年10月なので、2026年10月から直ちにすべての会社が対象になるわけではありません。

「試用期間だから加入できない」は一律の理由にならない

適用事業所で常用的な使用関係があり、報酬を受けて働く場合は、試用期間中であっても被保険者となることがあります。「3か月後から加入」「正社員登用後から加入」と会社が説明していても、それだけで加入を遅らせてよいとは限りません。

勤務先が適用事業所か検索する

日本年金機構の「厚生年金保険・健康保険適用事業所検索システム」では、事業所名称、所在地、法人番号から加入状況を確認できます。会社名で見つからない場合は、本社名、法人番号、旧名称、所在地でも検索します。

検索結果に出ないことだけで、自分が対象外と確定するわけではありません。名称の違い、手続き中、別事業所での登録、会社自体の加入漏れなども考えられるため、年金事務所へ確認してください。

自分の加入記録を確認する

  • 給与明細に健康保険料・厚生年金保険料の控除があるか
  • 資格情報のお知らせや資格確認書が交付されているか
  • マイナポータルで健康保険資格を確認できるか
  • ねんきんネットやねんきん定期便に勤務先の厚生年金記録があるか
  • 会社から資格取得日を説明されているか

給与から保険料が引かれているのに記録へ反映されていない場合も、給与明細を保存して年金事務所へ相談します。

会社へ確認するときの文例

「私の健康保険・厚生年金の加入について確認したいです。週の所定労働時間は○時間、月の所定労働日数は○日、雇用期間は○年○月からです。加入対象外と判断した具体的な要件と、勤務先が適用事業所または特定適用事業所に該当するかを書面でご回答ください」

口頭だけでなく、メールや書面で記録を残します。担当者名、確認日、説明内容もメモしてください。

会社が対応しない場合は年金事務所へ相談する

健康保険・厚生年金の加入や資格については、勤務先を管轄する年金事務所や、ねんきん加入者ダイヤルへ相談します。労働基準監督署ではなく、日本年金機構が中心となる問題です。

相談時には、雇用契約書、労働条件通知書、給与明細、タイムカードやシフト表、会社の名称・所在地・法人番号、会社から受けた説明の記録を持参します。日本年金機構は、加入手続きを行わない事業所へ加入指導や立入検査を行い、必要に応じて職員の認定による加入手続きを行う場合があります。

自分から被保険者資格の確認を請求できる

事業主が資格取得届を出していない、または事実と異なる届出をしている疑いがある場合、被保険者本人や過去の被保険者は、日本年金機構へ「厚生年金保険・健康保険被保険者資格確認請求」を行える場合があります。

この手続きは、単に健康保険の資格喪失証明書を発行してもらう「資格取得・資格喪失等確認請求」と名称が似ています。未加入期間について資格そのものの確認を求める場合は、年金事務所へ目的を伝え、使用する書類と必要な証拠を確認してください。

さかのぼって加入となった場合の注意

過去の期間について加入が認められると、健康保険料・厚生年金保険料の本人負担が発生し、すでに支払った国民健康保険料や国民年金保険料との調整が必要になる場合があります。医療費の扱いも個別に確認が必要です。

会社や自治体へ自己判断で支払いを止めず、年金事務所、加入する健康保険、住民票のある自治体へ、資格取得日と精算方法を確認してください。

相談したことを理由に不利益を受けたとき

社会保険の相談後に、退職を迫られた、シフトを極端に減らされた、嫌がらせを受けたなど別の労働問題が生じた場合は、証拠を保存し、都道府県労働局の総合労働相談コーナーへ相談します。解雇された場合は、解雇理由証明書を求め、早めに法律相談も検討してください。

今日やることチェックリスト

  1. 雇用契約書、給与明細、シフト・出勤記録を集める
  2. 週の所定労働時間と月の所定労働日数を計算する
  3. 日本年金機構の検索で勤務先の適用状況を確認する
  4. マイナポータルやねんきんネットで自分の記録を確認する
  5. 会社へ加入対象外とした理由を書面で求める
  6. 管轄の年金事務所へ資料を持って相談する
  7. 未届の疑いがあれば被保険者資格確認請求を確認する
  8. 不利益な扱いがあれば記録し、総合労働相談コーナーへ相談する

よく検索される疑問

パートだから社会保険に入れないと言われました

パートという名称だけでは対象外になりません。一般社員の4分の3以上働く場合や、特定適用事業所などで短時間労働者の要件を満たす場合は加入対象です。

社会保険に入れてくれない場合、どこへ通報しますか?

まず勤務先を管轄する年金事務所へ相談します。加入条件や未届の疑いを伝え、雇用契約書や給与明細などを提出できるよう準備してください。

試用期間が終わるまで社会保険なしでもよいですか?

試用期間という理由だけで一律に加入を遅らせることはできません。適用事業所で加入要件を満たして働く場合は、試用期間中でも対象になり得ます。

2026年10月から全員が社会保険に入りますか?

短時間労働者の月額賃金8万8,000円以上という要件は2026年10月に撤廃予定ですが、週20時間以上、学生ではないこと、2か月を超える雇用見込みなどの要件があります。また、企業規模要件は2027年9月まで原則51人以上で、最初の縮小は2027年10月です。勤務先と働き方を個別に確認してください。

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主な公式情報

この記事は一般的な制度案内です。加入対象、さかのぼる期間、保険料・医療費の精算は、勤務先と個別の就労状況で異なります。公式情報確認日:2026年7月24日